フランクフルトのチビッ子たち

 フランクフルトで偶然、伯父とすれ違ったことは以前、書きましたが、この町で初めてスリ集団に遭いました。と言ってもチビッ子たちです。

 朝のフランクフルトの駅前で南廻りの長時間フライトと時差ぼけで、ぼぉーとしていると、5~6人の子供たちが寄ってくるというか、たかってきました。一人が新聞を広げて私の体に押し当ててきます。そして、それに気をとられているうちに他の子たちが左右から手を伸ばしてズボンのポケットから財布をすろうというものです。
 何かズボンのポケットを触られた感じを覚えて、慌ててズボンのポケットをおさえました。確かにまだ財布はありました。よし大丈夫と思って、子供たちを追っ払ったのですが、改めて見てみると、中身が抜かれた後でした。触られたと思ったのは、財布をポケットに戻した時だったのです。

 ポケットに入れている財布にはたいして現金は入れていなかったのですが、ヨーロッパに着いたその日の朝に、掏られたことが間抜けで情けなく、私の張り込みが始まりました。彼らにとって朝一番の「仕事」だったので、きっとまた仕事にとりかかると思ったからです。あれぐらいの少額な稼ぎで1日の仕事が終わるとも思えません。そこで駅の正面から少し離れたところから、ずっと様子を伺っていました。別に急ぐ旅ではないので、2~3日張り込みをしてもかまわない、そんな気持ちでした。
 そして、とうとう現れました。しかし、ここで慌ててはいけません。追いかけると逃げてしまいます。そこで不思議な「東洋の微笑み」を浮かべながら、子供たちにじりじりと近づきました。私の意図がわからない子供たちも笑顔です。そして、十分近づいたところで、一人をとっつかまえました。そして、ずるずると駅警察の方にひきずっていこうとしたところで、「親玉」が現れました。鵜飼の鵜匠と言ったところでしょうか。子供たちがすってきたお金をみんな巻き上げている悪い大人です。やせぎすの子供たちを従えている丸々と肥えたおばさんでした(絵に描いたような悪者です)。

 なんとなく子供たちがかわいそうになり、金も返してくれたので、「釈放」しました。これがフランクフルトの最初の思い出です。ローマとモスクワの両替詐欺事件もありますが、それはまたいずれかの折に(野)。

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