考古学と陶磁器

遺跡を発掘して、最も多く出土する遺物の一つがやきものです。遺物の大半がやきものという遺跡も珍しくありません。もちろん、昔、やきものばかりを使っていたわけではありません。木製品や金属製品もたくさん使われていました。例えば江戸時代の時代劇でもやきものだらけという場面はそうそうありません。現在の家の中を見回してもやきものは生活用品の一部に過ぎません。

それではなぜやきものばかりが出土するのでしょうか。一つはその化学的性質によります。木製品や紙製品は腐食して残りませんし、金属製品も錆びてなくなります。それに対してやきものは土中でも腐らず残ります。

石製品も同じように腐らずに残るのですが、やきものは石に比べてとても脆弱で壊れやすいものです。すぐに割れて壊れるため、生産、消費、廃棄のサイクルが早く、大量に捨てられることになります。また、やきものは再利用がしにくいものです。金属製品は熔かして新しい製品をつくることができますし、木製品や紙製品は最終的には燃料とすることもできます。やきものは再利用がしにくいため、そのまま捨てられてしまいます。その結果、大量に捨てられたやきものが遺跡から出土することになります。

ただし、五十年後、百年後には遺物の主役が代わっているかもしれません。現在、プラスティックやビニールなどの化学素材が大量生産され、大量消費されています。やきものと需要が重なる部分も多いです。完全に資源リサイクルが行われれば、廃棄されるプラスティックは理論上なくなりますが、今のところ、リサイクルが追いつかずに廃棄されるものの方が多そうです。(野)

遺跡から出土する陶磁器

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