考古学と陶磁器(2)

以前、遺跡を発掘すると陶磁器がたくさん出てくるという話をしました。しかし、それが資料として役に立たなければあまり意味がありません。消えてなくなることもなく、重いし、かさばるばかりで邪魔なだけです。

幸いなことに陶磁器は、その性格から多くの情報を持っています。

まず陶磁器は生活に密着した道具です。生活文化、特に食文化をその器の形が表しています。そのため、同じ有田焼であっても国や地域によって出土する製品の種類や大きさが異なっています。一人一人がそれぞれの器で食事をする文化と大皿に盛りつけて大人数で手づかみで食べる文化では器が違います。また、和食、中華、洋食など料理の種類でもそれぞれ器が異なります。遺跡から出土する陶磁器の器の形で当時の食文化を推測することができるのです。

また、あらゆる階層の人が使います。ごく限られた人々しか使わないものであれば、その限られた人のことしかわかりません。出土する陶磁器の質(価格)や数の違いからいろいろなことが推測できます。

形だけでなく、文様もまた世相や市場を反映しています。筆などによる施文は、彫刻などに比べてより自由に図柄を表現できます。さらに生産、流通、消費のサイクルが早いため、器に描かれた文様はその時その時の時代を反映しています。変化のスピードが早かった17世紀の有田焼の場合、形や文様の組み合わせによって、ほぼ10年刻みで変遷がわかっています。そのため、有田焼の陶片は時代の物差しとして、全国の遺跡や遺構の年代決定に使われています。(野)

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